今年は瀬戸内国際芸術祭2016がいろいろな島で開催されていますが、犬島もその
ひとつ。ちいさな島で歩いて島の中をぐるっと見て回れる。車通りも無いから、本当に
タイムスリップしたかのような島。
岡山市内で唯一の有人島だが、宝伝港という港から連絡船で10分ほどで日常から
離れた異空間にいってしまう。
この島は古くは石の産業で栄え、産出される良質な花崗岩は大阪城や岡山城の
石垣にも使用されているとのこと。 その後、1909年に銅の精練所が建設されたが、
わずか10年で閉鎖されている。その後100年ほどの長い時間、そのまま放置され
廃墟のようになって遺されていた。この近代化産業遺産の構造物・地形・廃棄物を
そのまま活用しながら、無いものだけを付け加え美術館としてリノベーションしたのが
犬島精練所美術館。自然エネルギーだけを活用する世界最初の美術館でもある。
新しく付加する要素は最小限にとどめ、今あるものを活かすといったアイディアは
よく聞く事ですが、この島の遺された産業遺産、その廃墟っぷりは圧巻です。
未来少年コナンというアニメがありましたが、宮崎アニメの世界にでてくるような
印象的な風景が広がっています。