意匠設計者(建築のプランニングやデザインなどをすることを主にしている設計者)に
とって構造設計というのは、ある意味苦手な部分。(もちろん、そうじゃない人だって
沢山いるだろうけど)
構造設計を主に行う構造家も沢山存在する訳だから、大きく分けて建築設計者は
意匠設計・構造設計・設備設計にわかれているのが一般的なのです。
小さな木造住宅くらいなら意匠設計者がすべてを統括して行う事も多いですが。
『直感で理解する!構造設計の基本』というこの本は、大手設計事務所で構造設計を
担当する現役バリバリの構造家が執筆した構造設計の指南書!
というと難しい計算式や理論がズラリと並んでいる専門書というイメージを抱きますが、
この本はそうでは無い。
平易な言葉で綴られた文章と、親しみのわく手描きのスケッチ図・イラストでデザイン
設計しか実務で行わないひとや学生でも理解しやすいように“直観的に理解しやすい”
ように解説されています。
先日、この本の著者である山浦晋弘氏の講演を聞きましたが、文章同様、分かり易い
平易な言葉で聴衆をひきつける魅力的な講義をしていただきました。
手計算やスケッチの大切さ・・・からだで覚えたことは忘れない・感覚が研ぎ澄まされる
若いうちに泥臭い事をしておくこと・・・伸び代がおおきくなる
構造計算と作文は似ている・・・理論的な作業が似ている
その他、目からうろこのいい話をいっぱい聞けました。
この本にもそれらと同様の事が書かれています。そして単なる構造設計の教科書では
無く、社会人として何が大切かというテイストの事にも構造設計を通して触れられて
います。初学生や意匠設計者、若い構造家にオススメの構造本!
信頼され愛される設計者になるために、ぜひ仕事場の傍らに置いておき、いつでも
見返せる書にしたいものです。