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2014.03.17

麗しのジャコビアン様式に心奪われて・・・

英国人ジョサイア・コンドルJosiah Conder(1852-1920)はロンドンに生まれの建築家。
明治10年(1877)に日本政府の招聘により来日、現在の東京大学工学部建築学科の
前身である工部大学校造家学科の初代教師に就任し、本格的な西欧式建築教育を
行った人。
もっと平たく言えば西洋建築を教えてもらうために国が雇ったお雇い外国人だ。
国を挙げて招聘した青い目の建築家が弱冠25歳というのがスゴイ!

門下生には東京駅などを設計した辰野金吾、赤坂離宮を設計した片山東熊など
近代日本を代表する建築家たちがいます。
コンドル自身も鹿鳴館をはじめ上野博物館、ニコライ堂、三菱一号館など多くの建築を
日本で設計して日本の近代建築を多く作り、大正9年(1920)に日本で永眠しました。
享年68歳、日本画を学び日本人と結婚し、終生日本を愛してやまなかった人。

旧岩崎邸正面(旧岩崎邸庭園・重要文化財)

上野の不忍池から程近い場所に佇むこの洋館もコンドルの設計によるもの。

明治29年(1896)年に岩崎彌太郎の長男で三菱財閥三代目当主・久弥の本邸として
建てられた邸宅です。他にも和館や撞球室が現存しています。
(撞球室の建物もコンドル設計)

堂々たる外観は流麗さも兼ね合わせ邸宅というよりか豪華なクラシックホテルを彷彿
させる感があります。内観の意匠は17世紀初頭の英国ジャコビアン様式の見事な
装飾が施されていて、ルネサンス様式やイスラム風モティーフを思わせる部分もある。
南側の列柱の並ぶヴェランダはコロニアル調そのもの。
当時の岩崎家の優雅な暮らしぶりをため息交じりに想像してしまいます。

旧岩崎邸南面ヴェランダ(旧岩崎邸庭園・重要文化財)

この建物は重要文化財に指定され旧岩崎邸庭園として都立文化財9庭園の
ひとつとして一般公開されているので、ぜひ立ち寄ってみては如何。


旧岩崎邸庭園 DATA

住所 : 東京都台東区池之端1-3-45
                 東京メトロ千代田線湯島駅から徒歩5分程度
開園時間 : 午前9時~午後5時

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