建築は文化である!ととらえた時、その記録を後世に伝えていくため図面をはじめと
した設計図書ほか資料を収集・整理・保存し「公共の財産」として残していくことは
重要なことなのである。
そうした概念は日本では今まであまり定着していなかったようであるが、近年は
そういった研究も進んでいるようだ。
我が母校である金沢工業大学[KIT]は(社)日本建築家協会[JIA]と協同し
『JIA-KIT建築アーカイヴス』を開設し、学内に研究所を立ち上げて建築アーカイヴ
の方法論の研究、建築アーカイヴ全般にわたる研究、所蔵資料そのものの研究を
軸に活動しているという。
アーカイヴ(archive)とは公文書保管・履歴などを意味し、それらを記録し
保管しておく所、いわば公的記録保管所といった意味合いで捉えたらよい。
建築関連資料を集積・研究し産業界と大学を結ぶ窓口でもある。
建築資料はおろか立ち上がった建築物そのものすら文化的・歴史的価値が
高い建造物なので保存活用すべきといった訴えも経済至上主義の
ゲンダイニッポンでは通用せず解体されていることが多いのが悲しい現実。
このような研究機関が専門家だけの間で活用されるのでなく、市井の人々に
広く開放されて普段、建築関連にはまったく関係のない一般市民の方が
高い意識をもって建築や都市・町並みの魅力を感じ、その重要性を理解できる
ような社会風土になれば良いと思うのです。
はやくそんな時代がくればいいのに