日本国内に現存している最古の民家であると言われる「箱木家住宅」。
いつ頃建てられたのかは類例が無くて推定困難ながら、工法などから
想定するに14世紀頃までさかのぼるとも言われている。
通称「箱木千年家」!実際には1000年は経っていないのですが。
(それだけ古いのだ!ということを言いたいわけ)
人の暮らしに最も身近にある木と土と草を材料に用い、最小限の手間で築造された
住まいは究極のミニマル住宅と言えます。
外壁は土壁。それを守るため茅を葺いた屋根は軒が深く人の背丈よりも低い。
そして雨水を逃すため思いのほか急勾配!外観はほとんどが屋根です。
まあ、何とも素朴で自然なケンチクだな~と好感がもてるのです。
ダムの建設に伴い水没することになるため移築する際、解体調査され新築当時の
オリジナルな形態を検証し復元再築された訳ですが、移築する前の箱木家住宅は
何百年も生きてきた証として増改築がなされ移築後は棟を分けて復元されている
座敷のスペースと一体となって一棟となった大きな農家住宅だったようです。
(模型で展示されています。)
もちろんプリミティブな姿も素晴らしいし、調査研究のためその形に復元することも
重要なこととは右のこころで思うのですが、何百年という時間を暮らしてきたその姿を
残すこともある意味、重要ではないのかなと左のこころで思ったりもするのです。