2003年にメキシコシティ郊外で見つかった『明日の神話』。
岡本太郎が制作した、縦5.5m、横30mの巨大な壁画です。
『明日の神話』が描かれたのは、『太陽の塔』を制作していた時期と同じで1968年ころ。
新築ホテルのロビーを飾るための壁画としてメキシコの実業家から依頼を受けた太郎が、
現地に足を運んで完成させた大作。原爆が炸裂した瞬間をテーマとしています。
その後、ホテル計画は頓挫し未完成のまま放置されてしまい『明日の神話』も壁面から
取り外されて行方不明になってしまいましたが、35年ぶりに発見されたのです。
写真は一年をかけて修復されたのち東京汐留の日本テレビ前の広場に
展示されていた時のもの。
その後、岡本太郎にゆかりのあるいくつかの街が恒久設置に名乗りを上げましたが、
最終的に東京渋谷区が恒久設置場所に決まり、いまは渋谷マークシティのコンコースの
壁面を飾っています。少しでも多くの人の目に触れるようにとの事みたいですが、
個人的には名乗りを上げた街のひとつ大阪吹田市に頑張ってもらい『太陽の塔』と
呼応するかたちでこの『明日の神話』を恒久設置してほしかったですね。
(関西もんのはかない願い)
『太陽の塔』とこの『明日の神話』が向かい合うように対峙している風景を
思い浮かべてください。
背筋がゾクゾクして“サブイボ(鳥肌が立つこと)”ものだと思いませんか?
大阪万博のとき、私は4歳。父の背におんぶしてもらい入った『太陽の塔』の
内部(「生命の樹」という生き物の進化過程を樹になぞらえた作品)は怖くて目を
開けていられなかったことを今でも強烈に憶えています。