東福寺方丈八相の庭
ウマスギゴケの緑と敷石のグレーによって市松模様を描き出している東福寺方丈の
北庭。言わずと知れた重森三玲(1896-1975)による作庭の名庭園である。
庭に興味などこれっぽちも無い人でも、どっかでこの庭の写真を見た事があるので
はないかな?それほどに有名な庭の設え。
使われている敷石は、もともと恩賜門に使われていたもの。建て物から遠くなるに
つれて市松の文様がぼかされていくように石が配置されている。
幾何学的でありながら自然と融合しているのは、そのへんのバランス。
彫刻家のイサム・ノグチはこの庭を訪れて、「モンドリアン風の新しい角度の庭だ!」
と評したといいます。
東福寺創建当時の相応しい質実剛健な鎌倉庭園の風格を基調に、まったくもって
モダンで現代芸術の抽象的構成を採り入れた庭であって、近代禅宗庭園の白眉と
して広く知られています。