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2013.10.02

奈良県の近代化遺産建築探訪 vol.2

御杖村旧菅野小学校(みつえ体験交流館)
                      ~温もりあふれる学び舎

みつえ体験交流館

近代化の建築遺産の定義はいろいろと幅広い解釈があって難しい。木造の校舎が
日本の近代化に貢献した遺産となるかどうかは、その工法なり背後にある歴史性など
いろいろな要素が絡み合いながら判断の基準になるのでしょうね。
現在は「みつえ体験交流館」として活用されているこの建物はもともと御杖村立菅野
小学校の校舎。 

平屋の和瓦葺き切妻屋根で日本の木造建築の素形といってよい単純明快な姿形で
小高い山裾に佇んでいます。
平成23年度から行われている奈良県近代化遺産総合調査[調査主体:奈良県教育
委員会文化財保存課]において調査活動に協力している日本建築家協会・奈良地域会
がピックアップした建築のひとつで、平成9年度をもって廃校になった後、6年の月日を
経て平成16年に体験工房として再生されています。

みつえ体験交流館(内観)

梁間の軸組形態さえ決まれば、あとは桁行きに間取りの数だけ増殖していけば
どこまでも伸びて行くロングハウス。100mを超える直線廊下は圧巻です。
自然に包まれるように昔懐かしい木造の佇まいを今に残す校舎は子ども大人も楽しく
学び、家族や仲間どうしで交流を深められる憩いの空間として蘇っているのです。

この場所に生きてきた人、ここから巣立っていった子どもたちの記憶がたくさん
詰まっている建物が用途を変え、さらに地域に愛されて使われ続けているという事が
スバラシイ!

(注)この文章は(一社)奈良県建築士会の会報誌に掲載された内容を筆者が一部、
   加筆修正したものです。

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